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カナディアン・パシフィック・カズノコ協会
カズノコについて

3.数の子リン脂質

脳の30%はリン脂質 - 通常、DHAやEPAは中性脂肪に多く存在するが、数の子の脂質はほとんどリン脂質だけからなり、DHAやEPAはリン脂質の形態で存在している。

脂質には様々な種類がありますが、我々が食品として摂取する主な形態は、中性脂肪(トリアシルグリセロール)です。

天ぷら油やドレッシングといった植物油はほとんど中性脂質であり、また、ラードなども中性脂質が主です。しかし、魚、野菜、穀類、畜肉などの天然食品の脂質には中性脂肪のほかにリン脂質も含まれており、我々はそれらを少量ながら日常的に摂取しています。

ところで、数の子の脂質はどんな種類でしょうか?実は、驚いたことに数の子の脂質はほとんどリン脂質からできているのです。

つまり、数の子はDHAやEPAを多く含むだけでなく、これらのDHAやEPAがリン脂質として存在しているのです。天然物ではこうしたことはあまりなく、数の子は極めて特異な食材といえるかもしれません。

表-3には各種魚卵中の脂質組成と脂質中のEPA並びにDHA含量について示しました。

表-3
脂質組成(%)
脂質中のEPAと
DHAの含量(%)
中性脂肪
リン脂質
EPA
DHA
サケ
61
35
16
17
マス
56
39
15
16
サメ
54
41
7
19
ニシン
3
94
15
27

もともと魚卵は冒頭でも述べたように、生命発生の源であり、そのために、他の組織とは異なり、細胞を作るのに重要なリン脂質が多量に含まれています。

しかし、ニシン(数の子)の場合その比率は極端で、ほとんどがリン脂質であることがわかります。また、他の魚卵に比べてDHAも非常に多く含まれていることがわかります。数の子脂質の特徴とその潜在的な機能性の高さが伺えます。
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