数の子は非常に機能性の高い天然栄養カプセル。
今後の研究が非常に期待される。
これまで述べてきたように数の子脂質には様々な栄養機能が期待されます。また、DHAやEPAを多く含むリン脂質のみから構成されているという数の子脂質の特徴は、他の食品素材には見られないものです。
通常、DHAやEPAは酸化されやすいという問題点があります。酸化されるとDHAやEPAの栄養機能性が失われるばかりか、毒性をも示します。DHAやEPAを多量に含むにもかかわらず、魚油の利用がなかなか進まないのはこのためです。
しかし、DHAやEPAをビタミンEと共にリン脂質の状態で存在させると非常に安定なばかりでなく、
抗酸化効果
を示すことも我々は見出しております。
特に、数の子の場合、一つ一つの卵の中に
DHAやEPAを含むリン脂質がビタミンEと共に封じ込まれており、たいへん安定な状態で存在
しております。言い換えれば、数の子は非常に
機能性の高い天然栄養カプセル
といえるかもしれません。
数の子には脂質の他にタンパク質も多量に含まれております。タンパクの機能性についてはまだわからないことも多いのですが、一般に水産物由来のタンパクから酵素の働きにより分解されて生ずるペプチドは抗高血圧作用があるといわれており、数の子のタンパク質にもこうした機能があるかもしれません。
数の子はこれまで単なる嗜好品として、正月に食卓を賑わせていた程度でした。しかし、これまで述べてきたようにその栄養機能性は高く、また、これまで知られていない新たな機能性成分が存在する可能性もあります。
栄養価の高い食品として、また、興味ある研究素材としても数の子の魅力はつきないものがあります。
しかし、DHAやEPAをビタミンEと共にリン脂質の状態で存在させると非常に安定なばかりでなく、抗酸化効果を示すことも我々は見出しております。
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